明日の朝に食べようと
さっき、梅干しを刻んで
おかかの佃煮に混ぜたやつを
中身にしておにぎりにした。
ふと思う。
この世の中で1番美味しい
おにぎりは母の握ったおにぎりだ。
テレビ番組で紹介していた、
おにぎり専門店のように
こだわりのお米を
使ってるわけでもないし
特別な道具や型をつかったり、
中身の具もどこ産の
ありがたいものでもなく、
作ってすぐほろほろと
口の中でほどけるような
繊細かつ気難しいおむすびではない。
毎回安定の味でもなく
具が平均的に入っている
わけでもなく、毎回多少ブレがある、
結構しっかりと握ったおむすびなのだ。
懐かしい味は世の中の尺度とは
関係なく、ひとや思い出に
結びついている。
自分の歩んできた人生の中の
「味わい」のエッセンス入り!
…なんてちょっとセンチメンタルに
捉えたりして。
懐かしいは寂しくて切ないくもある。
歳を重ねてきて
今あるもの・今の状況が
ほんの限定された期間、
刹那ってことを実感する
ようになったからだ。
「懐かしい」は戻れない現実を
思い出すことだものね。